仕入れ・小売向け

AI に仕入れを頼む — 卸カタログを検索して発注するまでの実際の流れ

読了目安 約11分
段ボール箱と衣料のラックに囲まれた事務所で、ノートパソコンを開いて発注の内容を書き出しているショップの運営者

写真: Kampus Production(Pexels)

AI アシスタントに仕入れを頼むとは、商品を探す・条件を読み比べる・カートに入れる・注文内容を確認するまでを、チャットの指示で進めることです。手元の AI クライアントを卸カタログに MCP という接続規格でつなぐと、AI がその場のカタログを読んで答えるようになります。注文の確定だけは AI が単独では行いません。AI は総額を提示していったん止まり、人が内容を確認してから発注します。

仕入れの作業で時間を取られやすいのは、商品そのものを選ぶところより、その前後の下ごしらえです。仕入れ先ごとに分かれた画面を開き、販売単位と最低注文金額を読み合わせ、送料の条件に合うように組み直す、という下ごしらえの部分です。

この下ごしらえは、条件を読んで組み合わせを試す作業の繰り返しなので、AI に頼める余地があります。実際に orosy のバイヤーポータルでは、画面からの注文、AI アシスタントからの注文、自社システムからの API 連携による注文の 3 つの使い方すべてで、本番の注文が入っています(2026-09-29 時点)。

この記事では、実店舗や EC で販売する事業者に向けて、AI アシスタントに卸カタログをつないで発注するまでに何が起きるのかを、準備するもの・つなぎ方・手順・人の手に残る作業の順にまとめます。

AI に仕入れを頼むとは、その場のカタログを AI に読ませて答えさせることです

「AI で仕入れ」と聞いて思い浮かびやすいのは、チャットに「雑貨の卸を教えて」と聞くような使い方です。これは AI が学習した一般的な知識から答えているだけで、いま実際に何が仕入れられて、いくらで、何点から買えるのかは分かりません。

ここで扱うのはそれとは別の使い方です。AI クライアントを卸カタログにつないだうえで頼むと、AI はその場のカタログを読み、実在する商品と実際の取引条件を返します。つなぐための共通の規格が MCP です。登録しておくと、AI が商品の検索・カートの操作・注文内容の確認といった機能を呼び出せるようになります。

違いは次のとおりです。

一般的なチャットで相談する カタログにつないで頼む
AI が見ているもの 学習した一般的な知識 いまのカタログの中身
返ってくるもの 探し方や考え方の説明 実在する商品と取引条件
できる操作 なし(説明のみ) 検索・カートへの追加・注文内容の確認
注文の確定 できない 総額を提示して止まり、人が確認して発注する

つまり AI に頼めるのは「調べて、組んで、示すところまで」で、買うかどうかを決めるのは人です。

使い方は 3 つあり、どれも同じカタログとカートを見ている

AI アシスタントからの利用は、画面や API と別のサービスになっているわけではありません。同じカタログと同じカートを、違う入り口から触っているだけです。

入り口 向いている場面 準備するもの
AI アシスタント 探索、条件の読み合わせ、カートの組み立て API キーと、MCP に対応した AI クライアント

画面・API との使い分けと、どの体制にどれが向くかは仕入れの発注は画面・AI・API の 3 つから選べるで比較しています。この記事では、AI アシスタントから使う場合に絞って説明します。複数の仕入れ先にまたがる発注を 1 か所にまとめる考え方そのものは、仕入れ先の一元管理で扱っています。

AI クライアントをつなぐ前にそろえる 3 つのもの

準備は 3 つだけです。順番に進めてください。

準備するもの 内容 つまずきやすい点
審査を通過した事業者アカウント 会社名・事業者サイトの URL・事業内容を登録し、審査を通す 事業者サイトの URL は必須。自社 EC、SNS のショップページなど、販売していることが分かる URL を用意する
API キー 審査を通過したあと、自分で発行する 審査が終わる前は発行できない
MCP に対応した AI クライアント API キーをリクエストのヘッダーに設定できるもの(Claude Code など) MCP に対応していても、API キーをヘッダーに設定できない接続方式のクライアントからは現状つなげない

審査については、登録したメールアドレスのドメインが事業者サイトと一致している場合など、自動で確認が取れる条件に当てはまれば多くの場合 10 分ほどで承認されます。それ以外は担当者がサイトや SNS を確認し、通常 12 時間以内に結果をメールでお知らせします。審査を待つ間もテストモードで検索から発注までの流れを試せます(取引先に通知されず、発送も課金もされません)。

接続の設定手順は、ログイン後の「AI で使う」ガイドにまとめてあります。事業者確認の進め方そのものは個人事業主の卸仕入れでも扱っています。

つないだあとの流れ — 探す、入れる、確認して注文する

つないだあとは、チャットに日本語で頼むだけです。たとえば「ギフト向けの雑貨を 1 万円分」のように、目的と予算を伝える言い方で通じます。

実際の流れを、AI がやることと人がやることに分けると次のようになります。

手順 AI がやること 人がやること
1. 探す カタログを横断して候補を出す 何を売りたいか、いくらまでかを伝える
2. 絞り込む 販売単位・最低注文金額・送料の条件を読んで、成立する組み合わせを示す 候補を見て、取り扱いたいものを選ぶ
3. カートに入れる 選ばれた商品を数量つきでカートに追加する 数量の過不足を指示する
4. 内容を確認する 総額を提示して止まる 金額・数量・商品を確認する
5. 注文する — 最後の確認をして発注する

4 の段階で必ず止まる点が、この使い方の要です。AI が総額を出さないまま注文が成立することはありません。表示された総額と数量は、進める前に必ず目で確認してください。

AI に任せられること、人の手に残ること

AI につないでも、仕入れの仕事がすべて置き換わるわけではありません。線引きをはっきりさせておくと、期待と実態がずれません。

任せられること 人の手に残ること
複数の仕入れ先をまたいだ商品の洗い出し 自店で何を売るかの判断
販売単位・最低注文金額・送料の条件の読み合わせ 注文内容の最終確認と発注
条件を満たす組み合わせの組み立て 商品の受け取りと検品
過去の注文内容の確認 販売価格の設定と売り場づくり

取引条件そのものは、AI からでも変わりません。商品ごとの販売単位、配送グループごとの最低注文金額、送料の条件は、どの入り口から注文しても同じです。配送グループとは、同じ発送元でまとまる配送の単位を指す orosy のバイヤーポータルでの呼び方で、送料や送料無料の基準、最低注文金額はこの単位で設定されています。

AI は条件を読んで成立する組み合わせを示せますが、条件そのものを緩めることはできません。発注単位と送料の考え方そのものは小ロット仕入れと送料の考え方で詳しく扱っています。

AI からの利用は、実際にどれくらい動いているか

新しい使い方は、実際に動いているのかが分かりにくいものです。現在の状況を数字で示します。

2026年9月28日時点で、バイヤーポータルには 476 社以上が登録し、そのうち 307 社以上が審査を通過しています。API キーを発行した事業者は 48 社以上です。冒頭に書いたとおり、画面・AI アシスタント・API 連携の 3 つの使い方すべてで本番の注文が入っています。

立ち上がりの速さが分かる例があります。海外(ドイツ)で生活雑貨を扱う EC 事業者の場合です。登録して自動で承認が下り、自分で API キーを発行し、AI クライアントから接続してカタログを取得し、ポータルの画面で注文を確定するところまで、4 日で進みました。承認は自動で下り、API キーの発行と接続はこの事業者が自分で行っています。

接続の前に押さえておきたいところ

AI クライアントの条件を先に確認する。 MCP に対応していることと、API キーをリクエストのヘッダーに設定できることの両方が必要です。片方だけでは接続できません。

お届け先は事業者の拠点に限られる。 店舗・倉庫・事務所など事業者の拠点が届け先で、購入者への直接発送には対応していません。在庫を持たずに自社 EC へ掲載する進め方(注文が入ってから発注する進め方)は可能ですが、届いた商品はご自身で梱包して発送することになります。発注は卸売の条件のままで、販売単位や配送グループごとの最低注文金額を下回る発注はできません。

海外へ送る場合は、仕向国によって表示される商品が変わる。 配送先の国を設定すると、その国へ送れる商品だけが表示され、範囲は国ごとに異なります。カートに出る国際送料は注文前の参考値で、情報提供のためのものです。実費は後で算出して請求され、参考値と異なる場合があります。輸入時の関税と通関手続きは受け取る側の責任です。日本国内に受け取り拠点があれば、従来どおりそこで受け取れます。

商品画像や説明文の掲載条件は商品ごとに違う。 一律の許諾は出していないため、自社の EC に載せる前に商品ごとに確認してください。

orosy のバイヤーポータルでできること

orosy のバイヤーポータルは、複数の仕入れ先の商品を 1 つの画面・1 つのカートで扱えるサービスです。約 20 万点の商品を検索でき、生活雑貨・食品・ファッション・ファッション雑貨・ビューティー・ヘルス&ベビー・文具/書籍などのカテゴリがあります。

事業者向けのサービスのため審査制です。登録時には会社名・事業者サイトの URL・事業内容を入力します(URL は必須で、自社 EC や SNS のショップページなど、販売していることが分かるページをご用意ください)。初めての注文まではおよそ 15 分です。

卸売という取引そのものの考え方は卸売とは、仕入れサイトの候補の並べ方は仕入れサイトの比較にまとめています。

よくある質問

AI アシスタントに仕入れを頼むとは、具体的に何ができることですか。

商品を探す、条件を読み比べる、カートに入れる、注文内容を確認する、という一連の作業をチャットの指示で進められます。仕組みとしては、手元の AI クライアントを卸カタログの API につなぎ、AI がその場のカタログを読んで答えます。注文の確定だけは AI が単独では行わず、総額を提示していったん止まるため、人が内容を見てから発注する流れになります。

AI に発注を任せると、勝手に注文が確定してしまいませんか。

確定しません。orosy のバイヤーポータルでは、AI は注文を確定させる前に必ず総額を提示して止まります。本人の確認なしに注文が成立することはなく、最後の確認と発注は人が行います。金額と数量、どの商品が何点入っているかを見てから進める設計になっているため、指示が曖昧なまま買われてしまう心配はありません。

AI から卸カタログにつなぐには、何を用意すればよいですか。

3 つです。審査を通過した事業者アカウント、自分で発行した API キー、そして MCP に対応した AI クライアントです。AI クライアントは、MCP に対応していることに加えて、API キーをリクエストのヘッダーに設定できるものである必要があります。Claude Code などが該当します。設定の手順は、ログイン後の「AI で使う」ガイドにまとめてあります。

MCP とは何ですか。

AI クライアントと外部のサービスをつなぐための接続の規格です。対応しているサービスを AI クライアントに登録しておくと、AI がそのサービスの機能を呼び出せるようになります。卸カタログの場合は、商品の検索、カートの操作、注文内容の確認といった機能が呼び出せる対象になります。AI が独自に推測して答えるのではなく、その場のカタログを読んで答える点が、一般的なチャットでの相談との違いです。

どの AI クライアントからでもつなげますか。

すべてではありません。条件は、MCP に対応していること、そして API キーをリクエストのヘッダーに設定できることの 2 つです。この 2 つを満たさない接続方式のクライアントからは、現状では直接つなげません。つなぐ前に、使いたいクライアントがこの 2 つの条件を満たしているかを確認してください。

AI から注文する場合も、事業者の審査は必要ですか。

必要です。卸価格つきのカタログが開くのは審査を通過したあとで、これは画面から使う場合も AI からつなぐ場合も変わりません。登録には会社名・事業者サイトの URL・事業内容の入力が要ります。登録したメールアドレスのドメインが事業者サイトと一致している場合など、自動で確認が取れる条件に当てはまれば多くの場合 10 分ほどで承認されます。それ以外は担当者がサイトや SNS を確認し、通常 12 時間以内に結果をメールでお知らせします。

AI で検索するとき、日本語で指示する必要がありますか。

カタログの商品情報は日本語で登録されているため、検索は日本語のカタログに対して行われます。海外の事業者も日本語のカタログを検索して注文しています。AI クライアントに何語で話しかけるかは使う人の自由ですが、探したい商品の言い方が日本語の商品名と離れていると、狙った商品にたどり着きにくくなることがあります。うまく出てこないときは、カテゴリ名や用途など別の言い方でもう一度頼んでみてください。

AI からの注文と、画面からの注文で取引条件は変わりますか。

変わりません。商品ごとの販売単位、配送グループごとの最低注文金額、送料の条件は、どの使い方でも同じです。AI は条件を読み取って「この組み合わせでは最低注文金額に届きません」と教えることはできますが、条件そのものを緩めることはできません。お届け先が店舗・倉庫・事務所など事業者の拠点に限られる点も、使い方によらず共通です。

AI につないだあと、画面は使わなくなりますか。

併用できます。実際に、探索と下調べを AI に頼み、注文の最終確認と確定はポータルの画面で行う、という進め方をしている事業者がいます。同じカタログと同じカートを見ているため、AI で組んだカートを画面で開いて確認してから注文する、という行き来ができます。どちらか一方に寄せる必要はありません。

orosy 編集部

この記事は AI が作成し、製品の事実と数値は一次出典で照合しています。内容の責任は orosy にあります。

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