卸販売・サプライヤー向け

掛け売りとは — 読み方・仕組みと未回収リスクを抑える与信・入金管理の実務

読了目安 約9分
会社の請求書(インボイス)の横で電卓を使い、支払い金額を計算する手元のクローズアップ

写真: Kindel Media(Pexels)

掛け売り(読み方: かけうり)とは、商品を先に納品し、代金は取り決めた期日にまとめて受け取る後払いの取引です。代金をその場で受け取る現金売りや、入金を先に受ける前払いと対になる方法で、卸取引では「翌月払い」「月末締め翌月末払い」といった形が広く使われています(締め日や支払期日は取引ごとに取り決めます)。売り手側では売掛金として計上され、入金までのあいだは代金を立て替えている状態になります。この後払いにともなう未回収を抑える基本は、取引前の与信確認、取引条件の明確化、支払期日の管理、回収を代わりに担う仕組みの活用の4つです。

この記事では、卸取引を行うメーカー・ブランドに向けて、掛け売りの読み方と仕組みをまず整理し、そのうえで未回収の不安を減らすための実務を解説します。

掛け売りとは — 読み方・表記・現金取引との違い

掛け売りとは、商品を先に引き渡し、代金は取り決めた期日にまとめて受け取る取引です。「かけうり」と読み、表記は「掛け売り」「掛売り」「掛売」のいずれも使われますが、意味は同じです。売り手側では、商品を引き渡した時点で売掛金が計上され、入金があった時点で消し込む流れになります。

同じ取引を買い手の立場から呼ぶと「掛け買い(かけがい)」になります。売り手に売掛金が立つとき、買い手には買掛金が立つ、という対の関係です。取引先との会話でどちらの語が出てきても、指している取引そのものは同じです。

代金を受け取る順番で並べると、掛け売りの位置は次のようになります。

取引の方法 代金を受け取る時点 売り手から見た資金の動き
前払い 商品を引き渡す前 入金を確認してから出荷でき、未回収は起きにくい
現金売り 商品を引き渡すとき 引き渡しと同時に入金があり、売掛金は立たない
掛け売り 商品を引き渡した後の期日 入金までのあいだ代金を立て替え、売掛金が残る

卸取引で掛け売りが基本になっているのは、小売店が仕入れた商品を販売してから支払いに回せるようにするためです。取引のたびに前払いを求めると、取引先の資金繰りの負担が大きくなり、まとまった発注がしにくくなります。掛け売りは、長く続いてきた取引の土台です。

支払期日の決め方としては、月ごとに取引をまとめて締め、その翌月に支払う形が一般的です。「月末締め翌月末払い」「20日締め翌月末払い」といった言い方は、この締めと支払いの組み合わせを表しています。締め日と支払日の間隔が長いほど買い手の資金繰りは楽になり、売り手が立て替える期間は長くなります。ここに挙げたのは商習慣としてよく見られる例で、条件は取引ごとに取り決めます。

一方で、売り手は支払期日に確実に入金されることを前提に事業を回します。この前提が崩れるのが「未回収」です。

掛け売りで未回収が起きる主な原因

未回収は、いくつかの典型的な原因から生じます。原因を知っておくと、どこに備えればよいかが見えてきます。

原因 内容
資金繰りの悪化 取引先の経営状況が悪化し、支払いが滞る
倒産 取引先が倒産し、売掛金が回収できなくなる
支払い忘れ・遅延 事務処理の漏れで支払いが遅れる
条件の認識のずれ 支払期日や金額の認識が双方で食い違う

このうち、支払い忘れや条件の認識のずれは、請求と支払期日の管理を丁寧に行うことで防げます。資金繰りの悪化や倒産は、取引前の与信確認で兆候をつかむことが備えになります。原因ごとに打つ手が異なるため、まずは自社の取引でどの原因が起きやすいかを見極めます。

未回収を防ぐ4つの実務

未回収を防ぐには、次の4つの実務を続けることが基本です。1つだけでなく、組み合わせて運用することで効果が高まります。

実務 目的
1. 取引前の与信確認 支払い能力に不安のある取引先を早めに把握する
2. 取引条件の明確化 支払期日・金額・方法を書面で取り決める
3. 支払期日の管理 入金予定を一覧化し、遅延をすぐ検知する
4. 回収を担う仕組みの活用 回収の実務と未回収の負担を自社で抱えない

与信確認は、新規の取引先と取引を始める前に行います。取引条件の明確化は、あとの認識のずれを防ぎます。支払期日の管理は、遅延を早く見つけて手を打つための日々の運用です。そして、回収を自社で抱えたくない場合は、回収を代わりに担う仕組みを使う選択肢があります。

取引先の与信を確認する方法

与信確認とは、取引先が代金を支払える状態にあるかを、取引の前に確かめることです。確認する主な観点は次のとおりです。

確認の観点 見るポイント
登記・基本情報 所在地・設立時期・事業実態
経営・決算の状況 事業の継続性、資金繰りの安定度
取引実績 過去の取引での支払い状況
支払い遅延の有無 他社との取引での遅延の兆候

新規の取引先では、最初から大きな金額で取引せず、少額から始めて支払い状況を見ながら取引額を広げる方法が有効です。支払いが安定して続けば、取引を大きくしても未回収のリスクは抑えられます。

ただし、取引先が増えるほど、一件ずつ与信を確認する手間は大きくなります。多くの小売店と取引を広げたいときほど、与信の負担が販路拡大のブレーキになりがちです。

取引先からの入金が遅れたときに取る手順

支払期日を過ぎても入金が確認できないときは、あわてて強い対応に出る前に、順を追って進めます。一般的な流れは次のとおりです。

  1. 自社の入金記録を確認し、消し込み漏れや口座違いでないかを確かめる
  2. 取引先に電話やメールで連絡し、支払いの予定と状況を確認する
  3. 状況が改善しない場合は、金額と期日を明記した書面で督促し、記録を残す
  4. それでも入金がない場合は、支払い方法や取引条件の見直しを取引先と話し合う
  5. 回収が難しい状態が続く場合は、弁護士に相談して進め方を決める

売掛金には時効があります。2020年4月に施行された改正民法では、原則として、権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年のいずれか早いほうで時効が完成するとされています。2020年3月以前に発生した債権には改正前の民法が適用されるなど、実際の取引にどう当てはまるかは事情によって変わるため、期日から時間が経っている債権については弁護士に確認してください。なお、書面での督促だけでは時効の完成を一定期間先延ばしする効果にとどまるとされています。期日から時間が経っている債権は、督促と並行して早めに弁護士に相談してください。

決算の場面では、回収できていない売掛金も原則として売掛金のまま計上されます。回収の見込みが立たない場合は、一般に貸倒れとして処理されることがありますが、その要件や計上できる時期には税務上の細かい定めがあります。具体的な処理は税理士に確認してください。

回収の負担を自社で抱えない選択肢

与信確認・支払期日の管理・回収を、すべて自社で行うのは大きな手間です。取引先が増えるほど、この負担は重くなります。そこで、請求・与信・回収を代わりに担う仕組みを使う選択肢があります。

たとえば orosy が 2026 年秋の開始を想定している新しい卸売サービスは、バイヤーの支払いが遅れても御社への支払期日は変わりません(商品の不良など売り手側に原因がある場合を除きます)。請求・決済・与信・代金回収は orosy 側が担うため、売り手は取引先ごとの与信確認や回収の実務を自社で抱えずに、商品を納品することに集中できます(現在は先行登録を無料で受付中です)。

販路を国内向けの商習慣のなかで長く築いてきた作り手にとって、掛け売りの回収は避けて通れない実務でした。その負担を仕組みで引き受けることで、未回収の不安を減らしながら、新しい販路に踏み出しやすくなります。

よくある質問

掛け売りとは何ですか。

商品を先に納品し、代金は後日まとめて受け取る後払いの取引です。卸取引では取引先の資金繰りに配慮した商習慣として広く使われており、売り手は入金までのあいだ代金を立て替える形になります。会計上は売掛金として計上されます。

掛け売りの読み方は何ですか。

「かけうり」と読みます。表記は「掛け売り」「掛売り」「掛売」のいずれも使われ、意味は同じです。買い手側から見た同じ取引は「掛け買い(かけがい)」と呼ばれます。

掛け売りと掛け買いの違いは何ですか。

同じ取引を、どちらの立場から見ているかの違いです。商品を先に渡して代金を後から受け取る売り手側が掛け売り、商品を先に受け取って代金を後から支払う買い手側が掛け買いです。売り手には売掛金、買い手には買掛金が計上されます。

掛け売りで未回収が起きる主な原因は何ですか。

取引先の資金繰りの悪化や倒産、支払い忘れ、取引条件の認識のずれが主な原因です。取引前の与信確認と、支払期日の管理を続けることで、多くは未然に防げます。

取引先の与信はどう確認すればよいですか。

登記情報や決算の状況、取引実績、支払い遅延の有無などを確認します。新規の取引先では、最初は少額から始めて、支払い状況を見ながら取引額を広げる方法も有効です。

売掛金が回収できなかった場合はどうなりますか。

まず自社の入金記録を確認し、消し込み漏れでないことを確かめます。そのうえで期日どおりに入金がない場合は、電話やメールで支払いの予定を確認し、記録が残る形で書面による督促に進むのが一般的な流れです。取引先の状況によっては、支払い方法や取引条件の見直しも検討します。回収が難しい状態が続く場合は、弁護士に相談して進め方を決めます。

売掛金の未回収に時効はありますか。

あります。2020年4月に施行された改正民法では、原則として、権利を行使できることを知った時から5年、または権利を行使できる時から10年のいずれか早いほうで時効が完成するとされています。個別の取引にどう当てはまるかは事情によって変わるため、実際の判断は弁護士に確認してください。

決算で売掛金が未回収の場合はどうなりますか。

回収できていない売掛金も、決算では原則として売掛金として計上されます。回収の見込みが立たない場合は、一般に貸倒れとして処理されることがありますが、その要件や計上できる時期には税務上の細かい定めがあります。具体的な処理は税理士に確認してください。

未回収の負担を自社で抱えない方法はありますか。

取引先ごとの与信確認や代金回収を代わりに担う仕組みを使えば、回収の実務と未回収の負担を自社で抱えずにすみます。売り手は納品に集中できます。

取引先が倒産した場合、売掛金はどうなりますか。

回収を自社で行っている場合、倒産すると売掛金が回収できなくなる恐れがあります。回収を代わりに担う仕組みを使っている場合は、その仕組みの条件に沿って支払いが行われます。


掛け売りは、卸取引を支えてきた後払いの商習慣です。その未回収リスクは、与信確認・取引条件の明確化・支払期日の管理・回収を担う仕組みの活用という4つの実務で抑えられます。卸取引の全体像は卸販売の始め方、卸売そのものの意味は卸売とはで解説しています。取引の形態ごとの違いは買取・委託・消化仕入れの違い、価格の考え方は上代・下代とは、販路を広げる際の取引の流れは複数の仕入れ先から仕入れるバイヤーの動き小売店の仕入れの流れをあわせてご覧ください。回収の負担を抱えずに販路を広げる方法は、サプライヤー向けページでご案内しています。

orosy 編集部

この記事は AI が作成し、製品の事実と数値は一次出典で照合しています。内容の責任は orosy にあります。

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