仕入れ・小売向け

掛け率の計算 — 下代・上代・粗利を求める式と計算例、7掛け・6掛けの読み方

読了目安 約13分
黒い机の上で、事業者が電卓を押しながら紙に価格の計算を書き込んでいる手元

写真: Kaboompics.com(Pexels)

掛け率の計算は「下代 = 上代 × 掛け率」と「掛け率 = 下代 ÷ 上代」の2本で足ります。上代1,000円(税抜)の商品を7掛けで仕入れるなら下代は700円、下代600円・上代1,000円なら掛け率は60%(6掛け)です。上代どおりに販売した場合の粗利率は「1 − 掛け率」で求められ、7掛けなら30%になります。

仕入れの価格表や取引条件には、「7掛け」「掛け率60%」のように、金額ではなく割合で仕入れ価格が示されることがあります。割合のままでは、いくら払うのか、いくら残るのかが分かりません。金額に直す計算が必要です。

計算そのものは難しくありません。使う式は2本だけで、あとは掛け率の読み方、逆算のしかた、粗利への換算、表計算ソフトへの入れ方を知っていれば、どの商品でも同じ手順で答えが出ます。

この記事では、掛け率の計算方法を、式・計算例・早見表・表計算ソフトの式の順に整理します。上代・下代という用語そのものの意味は上代・下代とは、卸す側が掛け率をどう決めているかは卸価格と掛け率の決め方で解説しているため、本記事は計算のやり方に絞ります。金額はすべて架空の計算例で、税抜でそろえています。

掛け率の計算式は2本 — 下代を求める式と掛け率を求める式

掛け率とは、上代(消費者向けの想定販売価格)に対する下代(事業者が仕入れるときに支払う価格)の割合です。計算式は次の2本です。

求めたいもの 計算式 計算例(税抜)
下代(仕入れ価格) 上代 × 掛け率 1,000円 × 0.7 = 700円
掛け率 下代 ÷ 上代 700円 ÷ 1,000円 = 0.7(70%)
上代(下代と掛け率から逆算) 下代 ÷ 掛け率 700円 ÷ 0.7 = 1,000円
粗利額(上代どおりに販売した場合) 上代 − 下代 1,000円 − 700円 = 300円

下の2行は、上の2本を並べ替えたものです。上代・下代・掛け率のうち2つが分かれば、残りの1つは必ず計算で出せます。

計算の前に、掛け率の読み方をそろえておきます。「◯掛け」と「◯%」は同じ数字の別の言い方です。

言い方 掛け率(%) 計算に使う小数
4掛け・掛け率40パーセント 40% 0.4
5掛け・掛け率50 50% 0.5
5.5掛け・掛け率55% 55% 0.55
6掛け・掛け率60% 60% 0.6
6.5掛け・掛け率65% 65% 0.65
7掛け・掛け率70% 70% 0.7
8掛け・掛け率80% 80% 0.8

「掛け率50」のように単位を付けずに言われた場合は、通常は50%(5掛け)を指します。迷ったら仕入れ先に確認してください。パーセントの数字を10で割ると「◯掛け」になり、100で割ると計算に使う小数になります。

掛け率別の下代・粗利の早見表 — 上代1,000円の場合

上代1,000円(税抜)の商品を例に、掛け率ごとの下代と、上代どおりに販売した場合の粗利額・粗利率を並べます。上代が違う商品でも、下代は「上代 × 掛け率」で同じように求められます。

掛け率 下代(仕入れ価格) 粗利額(上代どおりに販売) 粗利率
40%(4掛け) 400円 600円 60%
50%(5掛け) 500円 500円 50%
55%(5.5掛け) 550円 450円 45%
60%(6掛け) 600円 400円 40%
65%(6.5掛け) 650円 350円 35%
70%(7掛け) 700円 300円 30%
80%(8掛け) 800円 200円 20%

粗利率の列は「1 − 掛け率」です。掛け率が10ポイント下がるごとに、上代どおりに売った場合の粗利率は10ポイント上がります。

この表の粗利額は、仕入れ価格だけを差し引いた金額です。仕入れの送料、梱包の費用、決済にかかる費用はここから別に引かれます。掛け率の水準は商品分野や取引条件によって幅があり、一つの数字に決まっているものではありません。表は「同じ上代で掛け率が変わると数字がどう動くか」を見るためのものとして使ってください。

「7掛けで売る」「6掛けで売る」の計算手順と端数の扱い

「7掛けで売る」「6掛けで卸す」という言い方は、上代の70%・60%の価格で取引するという意味です。卸す側が言っても、仕入れる側が言っても、計算式は同じ「上代 × 掛け率」です。

手順は3段階です。

  1. 上代を税抜の金額で確認する。 価格表の上代が税込で書かれている場合は、税抜に直してから計算します
  2. 掛け率を小数に直す。 7掛けなら0.7、6掛けなら0.6です
  3. 上代に小数を掛ける。 その結果が下代(仕入れ価格)です

計算例を並べます。

上代(税抜) 掛け率 計算 下代 粗利額(上代どおりに販売)
2,800円 7掛け 2,800 × 0.7 1,960円 840円
12,000円 7掛け 12,000 × 0.7 8,400円 3,600円
3,600円 6掛け 3,600 × 0.6 2,160円 1,440円
1,480円 6掛け 1,480 × 0.6 888円 592円
1,250円 6.5掛け 1,250 × 0.65 812.5円 437.5円

最後の行のように、上代と掛け率の組み合わせによっては1円未満の端数が出ます。端数を切り捨てるか、切り上げるか、四捨五入するかは、仕入れ先の価格表や取引条件の記載に従います。記載がない場合は、発注前に確認しておくと、請求金額を受け取ってから数字が合わないという事態を避けられます。複数の商品をまとめて計算するときは、1点ごとに丸めるのか、合計してから丸めるのかでも合計金額が変わります。

下代から上代を逆算する — 上代を求める式と、何掛けかを求める式

価格表に下代と掛け率だけが書かれていて、上代(想定される販売価格)が書かれていない場合があります。このときは「上代 = 下代 ÷ 掛け率」で逆算します。

下代(税抜) 掛け率 計算 上代
1,400円 70%(7掛け) 1,400 ÷ 0.7 2,000円
4,200円 60%(6掛け) 4,200 ÷ 0.6 7,000円
812.5円 65%(6.5掛け) 812.5 ÷ 0.65 1,250円

掛け率をパーセントのまま使う場合は「下代 ÷ 掛け率(%) × 100」です。1,400 ÷ 70 × 100 で、同じ2,000円になります。

逆に、上代と下代が分かっていて、その取引が何掛けにあたるかを知りたいときは「掛け率 = 下代 ÷ 上代」です。下代1,560円・上代2,400円なら、1,560 ÷ 2,400 = 0.65 で65%(6.5掛け)です。仕入れ先ごとに掛け率の言い方がそろっていない場合も、この計算で同じ割合に直せば比べられます。

なお、上代が設定されていない商品(オープン価格の商品)では、「上代の何掛け」という考え方そのものが成り立ちません。この場合は、下代を原価として自店の販売価格を決めることになります。その手順は仕入れた商品の販売価格の決め方で解説しています。

掛け率から粗利率を計算する — 原価率・値入率との違い

掛け率が分かれば、上代どおりに販売した場合の粗利は次の式で求められます。

上代1,000円・掛け率60%なら、粗利額は400円、粗利率は40%です。

ただし、この換算が成り立つのは「上代どおりに売った」「仕入れ価格だけを原価とした」という2つの条件がそろったときだけです。条件が変わると、粗利率は掛け率からは求められなくなります。

販売の条件 粗利率の計算式 計算例(上代1,000円・下代600円)
上代どおりに販売、原価は下代のみ 1 − 掛け率 1 − 0.6 = 40%
値引きして販売、原価は下代のみ (販売価格 − 下代)÷ 販売価格 販売価格900円なら(900 − 600)÷ 900 ≒ 33.3%
上代どおりに販売、原価に送料を含める (上代 − 原価)÷ 上代 1点あたり送料40円なら(1,000 − 640)÷ 1,000 = 36%

掛け率と似た言葉に、原価率と値入率があります。計算に必要な範囲で整理すると次のとおりです(卸す側の値付けの観点からの4指標の説明は卸価格と掛け率の決め方にあります)。

言葉 意味 掛け率との関係
掛け率 上代に対する下代の割合 仕入れる側と卸す側の間で決まる取引条件
原価率 販売価格に対する原価の割合 仕入れ価格だけを原価とし、上代どおりに売った場合にかぎり掛け率と同じ数字になる
値入率 販売価格に対する、販売前に見込む利益の割合 上代どおりに売る前提なら「1 − 掛け率」と同じ
粗利率 販売後の実績から計算する利益の割合 値引きや送料の分だけ値入率より低くなる

掛け率は仕入れの条件を表す数字、原価率と粗利率は自店の販売の結果を表す数字です。掛け率だけを見て「粗利率40%が取れる」と考えると、値引きと送料の分だけ実際の数字は下回ります。仕入れの送料が1点あたりの原価にどれだけ影響するかは小ロット仕入れと送料の考え方で扱っています。

エクセル・電卓での掛け率の計算 — 表計算ソフトに入れる式の対応表

掛け率の計算に専用のサイトやアプリは必要ありません。式が2本しかないため、電卓か表計算ソフトで足ります。電卓なら、上代に小数(7掛けなら0.7)を掛けるだけです。商品数が多い場合は、表計算ソフトに1行だけ式を作っておくと、あとは行を増やすだけで同じ計算ができます。

B列に上代、C列に掛け率を入力する表を例に、各セルに入れる式を並べます。

セル 内容 入れる式・値
B2 上代(税抜) 金額を入力
C2 掛け率 0.7 のように小数で入力(またはセルの表示形式をパーセントにして 70% と入力)
D2 下代 =B2*C2
E2 粗利額(上代どおりに販売した場合) =B2-D2
F2 粗利率(上代どおりに販売した場合) =1-C2(または =E2/B2)

逆算する場合の式も対応表にしておきます。

求めたいもの 分かっている値 入れる式
上代 下代(D2)と掛け率(C2) =D2/C2
掛け率 上代(B2)と下代(D2) =D2/B2(セルの表示形式をパーセントにする)
下代を1円未満切り捨てで出す 上代(B2)と掛け率(C2) =ROUNDDOWN(B2*C2,0)

表計算ソフトで間違えやすいのは、掛け率の入力です。「70」とだけ入力して =B2*C2 を計算すると、下代が上代の70倍になります。小数で入力するか、表示形式をパーセントにしたうえで「70%」と入力してください。

計算の道具にかかわらず、結果に影響する点は3つあります。

  1. 上代と下代を税抜でそろえる。 上代だけ税込の数字で計算すると、掛け率が実際より低く見えます。税抜上代1,000円・税抜下代700円は70%ですが、上代を税込1,100円にすると 700 ÷ 1,100 で約63.6%になります。仕入れにかかる消費税の扱いは仕入れの消費税とインボイスにまとめています
  2. 端数の丸め方を決めておく。 切り捨て・切り上げ・四捨五入のどれを使うかで、1点あたり最大1円の差が、数量の分だけ積み上がります
  3. 粗利を見るときは送料を1点あたりに換算して原価に足す。 掛け率の計算には送料は入りませんが、手元に残る金額を見るときには送料を含めた原価で計算します

orosy のバイヤーポータルでできること

orosy のバイヤーポータルは、複数の仕入れ先・約20万点の商品を、1つの画面と1つのカートから検索し、発注から請求書までを完結できるサービスです。審査の承認後は卸価格つきのカタログが開くため、表示された卸価格(下代)をこの記事の式に入れれば、自店の販売価格に対する粗利を商品ごとに試算できます。商品ごとの販売単位と、配送グループ(同じ発送元でまとまる単位)ごとの最低注文金額(設定されている場合)を満たせば、少量から注文できます。仕入れ先ごとの個別の交渉や口座開設は orosy が引き受けるため、仕入れ先が違う商品でもカートは1つです。

登録・利用は無料で、かかるのは商品代金と送料だけです。初期費用も月額もなく、クレジットカードの登録なしで始められます。事業者向けのサービスのため審査制ですが、審査を待つ間もテストモードで検索から発注までの流れを試せます(取引先に通知されず、発送も課金もされません)。登録時には会社名・事業者サイトの URL・事業内容を入力します(事業者サイトの URL は必須です。自社 EC、SNS のショップページ、出店モールの店舗ページなど、販売していることが分かる URL をご用意ください)。

卸売という取引そのものの仕組みは卸売とはで解説しています。

よくある質問

7掛けで売るときの計算式は何ですか。

「下代 = 上代 × 0.7」です。7掛けは上代の70%を意味するため、上代2,800円(税抜)の商品なら 2,800 × 0.7 で下代は1,960円になります。上代どおりに販売した場合の粗利額は 2,800 − 1,960 で840円、粗利率は 1 − 0.7 で30%です。同じ式で、6掛けなら0.6、8掛けなら0.8を掛けます。

下代から上代を逆算するにはどう計算しますか。

「上代 = 下代 ÷ 掛け率」で求めます。下代1,400円・掛け率70%(7掛け)なら、1,400 ÷ 0.7 で上代は2,000円です。掛け率をパーセントのまま使う場合は 1,400 ÷ 70 × 100 と計算しても同じ結果になります。逆に、上代と下代が分かっていて掛け率を知りたいときは「掛け率 = 下代 ÷ 上代」で、下代1,560円・上代2,400円なら 1,560 ÷ 2,400 で65%(6.5掛け)です。

掛け率をエクセルで計算する式はどう書きますか。

B列に上代、C列に掛け率を入れた場合、下代は「=B2*C2」、上代どおりに売った場合の粗利額は「=B2-D2」(D列が下代)、粗利率は「=1-C2」で求められます。逆算は、上代が「=D2/C2」、掛け率が「=D2/B2」です。掛け率は「0.7」のように小数で入力するか、セルの表示形式をパーセントにして「70%」と入力します。「70」とだけ入力すると上代の70倍になるため注意してください。

掛け率と原価率は同じですか。

条件つきで同じ数字になります。仕入れ価格(下代)だけを原価とし、上代どおりに販売した場合にかぎり、掛け率と原価率は一致します。掛け率60%で仕入れて上代どおりに売れば、原価率も60%です。ただし、仕入れの送料や梱包の費用を原価に含めると原価率は掛け率より高くなり、上代より値引きして売れば原価率はさらに上がります。掛け率は取引条件、原価率は自店の販売実績から出る数字だと分けて考えてください。

掛け率50%と50%引きは同じ意味ですか。

金額は同じになりますが、意味が違います。掛け率50%は、上代の50%を下代(仕入れ価格)にするという取引条件です。50%引きは、販売価格を上代から50%値引きするという売り方の話です。上代2,000円なら、掛け率50%の下代も、50%引きの販売価格も1,000円になります。掛け率は仕入れる側と卸す側の間で決まり、値引き率は販売する事業者が自店の販売価格に対して決めるものです。

掛け率をパーセントで言われたとき、何掛けと読み替えればよいですか。

パーセントの数字を10で割った値が「◯掛け」です。掛け率40パーセントは4掛け、掛け率55%は5.5掛け、掛け率70%は7掛けにあたります。計算するときは、どちらの言い方でも上代に小数(0.4、0.55、0.7)を掛ければ下代が求められます。「掛け率100%」は上代と下代が同じ金額であることを意味します。

掛け率の計算に専用のサイトやアプリは必要ですか。

必要ありません。使う式は「下代 = 上代 × 掛け率」と「掛け率 = 下代 ÷ 上代」の2本だけで、電卓なら上代に小数を掛けるだけ、表計算ソフトなら1行に式を入れておけば商品が増えても同じ式で計算できます。計算の道具より、上代と下代を税抜でそろえること、端数の丸め方を決めておくことのほうが結果に影響します。

掛け率の計算は税込と税抜のどちらで行いますか。

上代と下代の両方を税抜でそろえて計算します。片方だけ税込の数字を使うと、掛け率が実際の取引条件からずれます。たとえば税抜上代1,000円・税抜下代700円なら掛け率は70%ですが、上代だけを税込1,100円にして計算すると 700 ÷ 1,100 で約63.6%と、実際より低く見えます。価格表を受け取ったら、上代・下代がそれぞれ税抜か税込かを最初に確認してください。


掛け率の計算は、「下代 = 上代 × 掛け率」と「掛け率 = 下代 ÷ 上代」の2本の式に、上代と下代を税抜でそろえて入れるだけです。上代どおりに売った場合の粗利率は「1 − 掛け率」で求められますが、値引きと送料の分だけ実際の粗利率は下がるため、手元に残る金額を見るときは送料を含めた原価で計算し直してください。上代・下代という用語の意味は上代・下代とは、卸す側の掛け率の決め方は卸価格と掛け率の決め方、仕入れた商品の値付けは仕入れた商品の販売価格の決め方で解説しています。

orosy 編集部

この記事は AI が作成し、製品の事実と数値は一次出典で照合しています。内容の責任は orosy にあります。

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