仕入れ・小売向け

受注販売とは — 読み方と仕組み、受注生産・予約販売との違い

読了目安 約12分
段ボール箱と洋服ラックのそばで、ノートパソコンを確認しながら注文内容を紙に書き留める店主

写真: Kampus Production(Pexels)

受注販売とは、先に注文を受け付け、その数量に合わせて商品を用意してから届ける販売方法です。読み方は「じゅちゅうはんばい」です。商品を先に用意して並べる見込み販売とは順番が逆になるため、売れ残りの在庫を抱えにくい一方、購入者に届くまでの期間は長くなります。

自社のネットショップで新しい商品を扱うとき、どれだけ売れるか分からないまま在庫を仕入れるのは負担の大きい判断です。受注販売は、その順番を入れ替えて「売れた分だけ用意する」形にする方法です。

この記事では、受注販売の意味と仕組みを、受注生産・予約販売・見込み販売との違いも含めて整理します。そのうえで、販売する側のメリットとデメリット、受付から引き渡しまでの流れ、購入者から見たときの「必ず買えるのか」という疑問までをまとめます。対象として想定しているのは、実店舗やネットショップで商品を販売する事業者です。

受注販売とは — 注文を受けてから商品を用意して届ける販売方法

受注販売とは、注文(受注)を先に受け付け、その数量に合わせて商品を製造または仕入れ、後から購入者に届ける販売方法です。読み方は「じゅちゅうはんばい」です。

商品を仕入れて並べ、購入されたらその場で引き渡す一般的な流れとは順番が逆になり、次のように進みます。

  1. 商品ページを公開し、受付期間を決めて注文を集める
  2. 受付を締め切り、注文された数量を確定する
  3. 確定した数量にもとづいて製造または仕入れを手配する
  4. 商品が用意できたら購入者に発送する

この順番によって、売れ残りの在庫を抱えるリスクが小さくなります。反面、注文から引き渡しまでに数週間から数か月かかることがあり、その期間を購入者に納得してもらう必要があります。

受注販売が選ばれやすいのは、次のような商品です。

受注販売・受注生産・予約販売・見込み販売の違い

似た言葉が複数あるため、注文と商品の用意がどちらの順番かという軸で並べて整理します。

言葉 注文と商品の用意の順番 数量が決まるタイミング 在庫リスク
受注販売 注文を受けてから商品を用意する 受付の締め切り時 小さい
受注生産 注文を受けてから製造する 受注ごと、または締め切り時 小さい
予約販売 発売日・入荷日が先に決まっており、その前に注文を受ける 事前に確保した数、または予約数の確定時 確保の仕方によって変わる
見込み販売 商品を用意してから注文を受ける 仕入れ・製造の時点 大きい

受注販売と受注生産の違い は、指している範囲です。受注生産は「注文を受けてから作る」という製造のやり方を指す言葉で、作り手側の視点に立っています。受注販売は「注文を受けてから用意して届ける」という販売の進め方を指し、自社で製造する場合も、仕入れ先から取り寄せる場合も含みます。受注生産の商品を扱う販売方法が受注販売にあたる、と考えると整理しやすくなります。

受注販売と予約販売の違い は、商品が用意されるタイミングです。予約販売は、発売日や入荷日が先に決まっている商品について、その日より前に注文を受け付ける方法です。数量は販売する側があらかじめ確保しています。受注販売では、注文の数量が確定してから商品を手配するため、引き渡しの時期は「受付終了からおよそ何週間後」という形で示すことが多くなります。

受注販売と見込み販売の違い は、在庫リスクを誰がどの段階で持つかです。見込み販売では、売れるかどうかが分からない段階で仕入れの判断をします。受注販売では、注文が確定してから仕入れるため、判断の材料がそろった状態で発注できます。

なお、通信販売で消費者へ販売する場合、商品の引き渡し時期は広告に表示する必要があります。さらに、代金を先に受け取ってから商品を用意する形では、注文を承諾するかどうかを購入者へ通知する決まりもあります。自社の販売方法がどこまで該当するかは、商品ページを公開する前に確認してください。

受注販売のメリットとデメリット

販売する側から見た利点と負担を整理します。

区分 項目 内容
メリット 在庫リスクを抑えられる 注文が確定してから仕入れ・製造を行うため、売れ残りが発生しにくくなります
メリット 資金の負担が軽い 注文が確定してから仕入れるため、手元資金の負担を抑えやすくなります
メリット 品ぞろえを広げやすい 在庫として持てない色・サイズ・組み合わせまで商品ページに並べられます
メリット 需要を数字で確認できる 受付数がそのまま次の仕入れ判断の材料になります
メリット 保管の負担が減る 手元に置く期間が短くなり、保管にかかる費用を抑えられます
デメリット 引き渡しまで時間がかかる 注文から数週間以上かかることがあり、購入をやめる理由になります
デメリット 管理の手間が増える 受付・数量確定・発注・入荷・発送の各段階で注文ごとの状態を追う必要があります
デメリット 受付数が読めない 数量が少ないと1点あたりの費用が上がり、多すぎると納期が延びます
デメリット 納期の遅れが直接伝わる 仕入れ先や製造の遅れがそのまま購入者への遅延連絡になります
デメリット 途中の変更に弱い 受付後の仕様変更やキャンセルへの対応方針を、事前に決めておく必要があります

受注販売が向かない商品があるのは、この時間と手間が理由です。回転の速い日用品や、購入者がその場で持ち帰ることを期待する商品では、引き渡しまでの待ち時間が購入をやめる理由になります。取り扱う商品が「待ってでも欲しいもの」かどうかが、受注販売に向くかどうかの分かれ目です。

受注販売の流れ — 受付前に決めておく項目

受注販売は、受付を始める前に条件を決めきっておくと、後の対応が楽になります。段階ごとに整理します。

段階 やること 事前に決めておく項目
1. 準備 商品と価格を決め、商品ページを用意する 販売価格、受付期間、引き渡しの時期、支払いのタイミング
2. 受付 注文を集める 上限数、最低の受付数、中止する場合の条件と連絡方法
3. 締め切り 受付を終了し、数量を確定する 締め切り後のキャンセルを受けるかどうか、その期限
4. 手配 製造の依頼、または仕入れ先への発注を行う 発注の締め切り、最低注文数量、入荷までの日数
5. 入荷・検品 商品を受け取り、数量と状態を確認する 不足や不良があった場合の連絡先と対応の期限
6. 発送 購入者へ発送し、状況を連絡する 発送の順番、遅延が発生した場合の連絡のタイミング

特に決めておきたいのは、最低の受付数と、届かなかった場合の扱い です。数量が集まらないまま手配すると、1点あたりの費用が上がって利益が残りません。中止する可能性があるなら、その条件と返金の方法を受付前に商品ページへ書いておきます。

引き渡しの時期は、仕入れ先や製造の側から示された日数に、自社での検品と発送の日数を足して決めます。仕入れ全体の進め方は小売店・EC の仕入れ完全ガイドにまとめています。

購入者から見た受注販売 — 必ず買えるのか、売り切れはあるのか

受注販売の商品ページを見た購入者が気にする点は、おおむね次の3つです。販売する側は、この3つに答える形で商品ページを書くと問い合わせが減ります。

必ず買えるのか。 受付期間内であれば買えることが多い方法ですが、必ず買えると決まっているわけではありません。上限数を設けている場合や、材料・仕入れ先の在庫に限りがある場合は、期間の途中で受付を終えることがあります。

売り切れになることはあるのか。 あります。上限数に達した時点で受付を終えれば、商品ページには売り切れとして表示されます。最低の受付数に届かず販売そのものが中止になる場合もあります。「受注販売だから売り切れない」とは限らない点は、販売する側から先に伝えておきます。

いつ届くのか。再販はあるのか。 引き渡しの時期は「受付終了から約◯週間後」という形で示すのが一般的です。再販についても、予定があるのか、ないのか、未定なのかを書いておきます。何も書かないと、次を待つ購入者と今回買う購入者の両方から問い合わせが来ます。

仕入れた商品で受注販売を行うときに確認すること

自社で製造せず、仕入れ先から取り寄せた商品で受注販売を行う場合は、仕入れ側の条件がそのまま購入者への約束の前提になります。受付を始める前に確認する項目を整理します。

確認項目 何を確認するか
商品データと画像 商品ページに掲載してよい情報の範囲と、画像の利用条件
販売単位・入数 1点から注文できるか、ケース単位か
最低注文数量・最低注文金額 1回の発注で満たす必要がある条件
納期 発注から手元に届くまでの日数と、その変動幅
欠品時の扱い 数量が足りなかった場合に、どこまでが請求の対象になるか
送料 誰が負担するか、無料になる基準があるか
仕入れ価格 掛け率と、販売価格を決めたときに残る粗利(上代・下代とは
お届け先 商品をどこで受け取るか。自社の拠点か、別の場所か

このうち見落とされやすいのが お届け先 です。orosy のバイヤーポータルでのお届け先は事業者の拠点(店舗・倉庫・事務所)で、購入者への直接発送には対応していません。仕入れた商品を自社の拠点で受け取り、検品してから購入者へ発送する流れになります。受注販売の引き渡し時期を決めるときは、仕入れ先からの納品にかかる期間に、自社での検品と発送の日数を足して考えてください。

卸取引そのものの仕組みは卸売とは、ネットショップを開いて仕入れを始める場合の進め方はネットショップ開業と仕入れで扱っています。

orosy のバイヤーポータルでできること

orosy のバイヤーポータルは、複数の仕入れ先・約20万点の商品を、1つの画面と1つのカートから検索し、発注から請求書までを完結できるサービスです。受注販売の形で商品を扱う場合に関係するのは、次の点です。

登録・利用は無料で、かかるのは商品代金と送料だけです。初期費用も月額もなく、クレジットカードの登録なしで始められます。事業者向けのサービスのため審査制ですが、審査を待つ間もテストモードで検索から発注までの流れを試せます(取引先に通知されず、発送も課金もされません)。登録には、事業者サイトの URL の入力が必要です。

なお、お届け先は事業者の拠点(店舗・倉庫・事務所)で、購入者への直接発送には対応していません。受注販売の日程を組むときは、自社の拠点で受け取ってから発送する前提で考えてください。

取り扱う仕入れ先が増えるほど、ログイン先・カート・請求書・支払期日が分かれて管理の負担が積み上がります。その整理の考え方は仕入れ先の一元管理にまとめています。

よくある質問

受注販売とはどういう販売方法ですか。読み方も教えてください。

受注販売とは、先に注文を受け付け、その数量に合わせて商品を用意してから届ける販売方法です。読み方は「じゅちゅうはんばい」です。商品を先に用意して店頭やネットショップに並べる見込み販売とは順番が逆で、注文が確定してから商品を用意するため、売れ残りの在庫を抱えにくいという特徴があります。

受注販売と受注生産の違いは何ですか。

指している範囲が違います。受注生産は、注文を受けてから商品を製造することを指し、作り手側の言葉です。受注販売は、注文を受けてから商品を用意して届けるという販売の進め方を指し、商品を自社で製造する場合も、仕入れ先から取り寄せる場合も含みます。受注生産の商品を扱う販売方法が受注販売、と整理すると分かりやすくなります。

受注販売と予約販売の違いは何ですか。

商品が用意されるタイミングが違います。予約販売は、発売日や入荷日が決まっている商品について、その日より前に注文を受け付ける方法です。受注販売は、注文の数量が決まってから商品を用意するため、発売日が先に決まっているとは限りません。予約販売は「いつ届くか」が先に決まり、受注販売は「何個作るか・何個仕入れるか」が注文によって決まる点が違いです。

受注販売なら必ず買えますか。売り切れになることはありますか。

受付期間内であれば買えることが多い方法ですが、必ず買えると決まっているわけではありません。販売する側が受付数の上限を設けている場合や、材料・仕入れ先の在庫に限りがある場合は、期間の途中で受付を終了することがあります。また、最低の受付数に届かず販売そのものが中止になる場合もあります。購入する前に、受付期間・上限数・中止条件が商品ページに書かれているかを確認してください。

受注販売のデメリットは何ですか。

購入者にとっては、注文してから手元に届くまでの期間が長くなること、注文後のキャンセルや返品が受け付けられない場合があることです。販売する側にとっては、受付から引き渡しまでの管理の手間が増えること、受付数が読めないこと、納期が遅れたときの連絡と対応が必要になることです。在庫リスクを減らせる代わりに、時間と手間がかかる方法だと考えてください。

受注販売の受付が終わった商品は再販されますか。

再販されるかどうかは、販売する側の方針によります。期間限定の商品として一度きりで終える場合もあれば、反応を見て次の受付を行う場合もあります。販売する側は、再販の予定があるのかないのかを商品ページに書いておくと、購入者からの問い合わせを減らせます。予定が決まっていない場合は「未定」と書くほうが、何も書かないより誤解が生まれにくくなります。

グッズの受注販売はどう進めればよいですか。

受付期間、最低の受付数、上限数、引き渡しの時期、支払いのタイミングを先に決め、商品ページに書いてから受付を始めます。受付が終わったら数量を確定し、製造または仕入れを手配します。デザインやサイズの展開が多い商品ほど、点数ごとの数量管理が必要になるため、注文データをそのまま発注に使える形で受け付けておくと作業が楽になります。

仕入れた商品を受注販売する場合、購入者へ直接発送してもらえますか。

orosy のバイヤーポータルでのお届け先は事業者の拠点(店舗・倉庫・事務所)で、購入者への直接発送には対応していません。仕入れた商品を自社の拠点で受け取り、検品してから購入者へ発送する流れになります。受注販売の引き渡し時期を決めるときは、仕入れ先からの納品にかかる期間に、自社での検品と発送の日数を足して考えてください。

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